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ANCS事務局 清田哲男
(岡山大学教育学部美術教育講座)

2020.7.24

形と色彩の自分年表

岡山市立福浜中学校 松浦 藍 先生

 

第3学年の生徒は、形と色彩で自分の人生を表す「年表」を制作する活動に取り組みました。生徒には四つ切の画用紙を手渡し、「この画用紙に、自分の人生の年表を描いたら、どんな年表になるでしょうか?言葉を使わず、形と色彩で表してみましょう。」と伝えました。

    写真1

 

支持体である画用紙は好きな大きさに切ってもいいですし、描画材は絵の具、色鉛筆やカラーペンなど使いたいものを使ってよいことにしました。それは、自分の年表を生徒自身が自分の生き方から、クラスメイトの生き方に思いを馳せます。

写真2

 

そして、3時間をかけて年表を制作した後、制作が始まると、「俺は流れ星みたいになりたいんよ」、「私ってこんな感じじゃないかな?」など、思い思いに語り合っていました。特に印象的だったのは、悩んでいるAさん(写真3右)に「Aはのんびりしとるんじゃし、丸で描いたらえんじゃね?」と声をかけるBさん(写真3左)の姿でした。Bさんの言い方はぶっきらぼうでしたが、Aさんはとても嬉しそうで、止まっていた手が少しずつに動き始めました。

写真3

 

生徒たちはクラスメイトの年表になったのかがとても気になったようなので、相互鑑賞を行いました(写真4)。相互鑑賞では、B5用紙にカラーコピーした年表を、A3のコピー用紙に貼り、その余白にお互いにコメントを書き込みました(写真5)。クラスメイトが制作した年表を鑑賞し ながら、「きっとこの時恋人ができるんよ。色がHappyだもん。」「え!これってどういうこと?この人に何があったんじゃろ?」と作者であるクラスメイトの生き方に思いを馳せていました。

写真4と写真5

 

 これらの生徒の姿から、自分や周りの人の生き方を考えたり、目に見えないものを形と色彩から感じ取ったりする経験は、自分や周りにいる人への理解に繋がると改めて感じました。ただ、自分や他者の生き方とは、すぐに理解できるものではありません。だからこそ、自分から色々なことを感じ取り、分かろうとする姿勢が必要なのだと、生徒たちに気づかされた授業でした。

 


2020.2.12

紙パレット展

岡山大学教育学部附属中学校 武田 聡一郎 先生

生徒が授業中に制作で使用した紙パレットを展示する「紙パレット展」を常時美術室で行っています。
この展覧会を始めた理由は、出来上がった作品だけではなく、作品ができあがるまでの過程を生徒に見てほしいとの思いからです。
最初は、展示ボードに練ゴムで貼っていましたが、現在はより手軽に飾れるようにするために、教室にナイロン線を張って、クリップで留めるようにしています。
紙パレット展をしてみると、「このパレットすごい!」や「この色いいなあ」といった反応がありました。
普段捨ててしまうかもしれない紙パレットの中にも、多様な混色や筆致の跡がうかがえて、個性が光って見えます。
互いの個性の光に気付くことが、学び合いの始まりであり、彼らの成長のために、とても大切なものだと考えています。
生徒たちは自分とは違う紙パレットを見て、一人ひとり異なる使い方から互いに表現したかったことや工夫の楽しさについて気づき、自分の表現についてふりかって考えていました。